不登校の中学生が高校受験を成功させるには?受験対策と進路の選び方を解説

公開日: 2023/10/20

中学校では不登校だけど、高校には進学したい。

「このままだと高校受験はどうしたらいいの?」

「やっぱり不登校だと高校受験は不利なの?」と不安を感じる方も多いでしょう。


でも、心配はいりません。

中学校で不登校であっても高校受験を成功させ進学している人はたくさんいます。

ですが、不登校から高校受験を成功させるには、いくつか注意点とポイントがあり、しっかり対策を行った上で進路を決めていく必要があります。


この記事では、不登校の中学生が高校受験を成功させるために必要な対策と進路の選び方をわかりやすく解説していきたいと思います。

1. 不登校からの高校受験は調査書(内申書)に注意


まず調査書とは、学校の先生が生徒の学校での態度や成績を書いた文書のことです。

内申点や出席日数の他にも、英検や漢検などの資格取得や、作文コンクールの受賞歴なども記載されます。

記載内容のうち、内申点と欠席日数が不登校の生徒には特に注意が必要な項目となってくるので詳しく説明していきます。

1-1. 内申点

内申点とは、学校で決められたルールに従い成績を点数化したものです。

どの学年から調査書に記載するかは都道府県や学校によって違います。


入試の評価は、受験当日の学力試験の点数と内申点との比率も高校によって異なります。

学力試験の点数と内申点の比率が7:3であったり、6:4であったりするということです。


不登校の生徒の場合、学校の定期テストが受けられずに成績が下がり内申点に影響するといった状況が考えられます。


この場合、入試の評価の際に内申点の比率が多い高校を受験すると不利になる可能性が高いといえるでしょう。

私立高校の場合は、一般入試では内申点は重視されないといわれています。

ただし、推薦入試の場合は学校の成績が出願条件にもかかわってきます。

1-2. 欠席日数

欠席日数も内申点同様にどの学年から記載するかは都道府県や学校によって異なります。

公立高校では、欠席日数が多い場合は「審議の対象とする」として、入試で不利になることもあります。

募集要項にも明確に記載されている場合もあるので注意が必要です。


ただし、都道府県によっては欠席日数の多い事情を自己申告書として記入し提出することで配慮してもらえることもあります。

一方、私立高校の一般入試では欠席日数を含め調査書の内容はあまり重要視されない傾向にあると言われています。


学校によって様々で、学力試験の結果重視で調査書自体の提出が不要な学校もあります。

2. 高校の種類は3種類!それぞれの違いとは?


中学生で不登校になった生徒は、内申点や欠席日数で受験に不利になることもあるとお伝えしてきました。

ですが、内申点が低くても欠席日数が多くても本人に受験の意志があれば受験できる高校はたくさんあります。


高校の種類別にそれぞれの特徴を見ていきましょう。

2-1. 全日制

・朝から夕方までの授業
・月曜日~金曜日まで週5日通学
・教師による一斉授業
・卒業まで3年の学年制


全日制高校は最も一般的な高校ですが、公立と私立では学費の面や設備や個々へのサポート体制などに違いがみられます。

公立高校は、国や市町村が文部科学省の教育方針に従って運営しているため、基本的には生徒の自主性に任せている場合がほとんどです。


入試の難易度も学校ごとに大きく異なり、地域によっても様々です。

通常は一つの学校しか受験できない場合がほとんどなので、慎重に検討していく必要があります。


私立高校は、学校によって様々な特色があり、生徒へのサポートが手厚いのも魅力の一つ。
学習面だけでなく心のサポートも充実しており、不登校の生徒にも寄り添い積極的にサポートしてくれる学校も多いです。

部活動も盛んで自分のやりたいことが見つけられると、楽しい学校生活を送ることができるでしょう。


また私立高校は受験日が重ならなければ複数の学校を受験することも可能です。

専願(合格したら必ず入学すること)で受験することで、合否判定で優遇される制度などもあります。

学校の雰囲気や特徴を知るために、学校説明会に参加するのも良いでしょう。

2-2. 通信制

・授業時間は様々
・通学頻度も様々(例えば、週1~3回、月1~2回、年4回など)
・教師による少人数授業、オンライン授業、レポート提出など
・卒業まで3年以上の単位制


通信制高校の最大の特徴は毎日通学しなくても良い点と、学年制ではなく単位制を取っている点です。

また、卒業の条件を満たすと、全日制高校と同様に高校卒業資格を得ることができます。
公立や私立と様々な高校があります。

通信制高校には病気や不登校などを経験した生徒も多く多様性が重んじられるため、同じような境遇の友達もできやすいかもしれません。


また、通信制高校は一斉授業ではないため、自分のペースで学習を進められるという点においても他の高校とは異なる魅力があります。

反対に自分で学習する習慣や卒業する意志がないとなかなかペースがつかめずに苦労する場合もあります。

お子さんの性格や特性に合わせて検討していきたいですね。

2-3. 定時制

・授業時間は様々
  夜授業を行う「夜間定時制」、朝と昼授業を行う「昼間二部定時制」、朝と昼と夜授業を行う「三部制」
・月曜日~金曜日まで修理日通学
・教師による一斉授業
・卒業まで3年~4年以上の学年制


定時制高校のほとんどは公立高校です。

学費も全日制の公立高校とほぼ同じです。

定時制高校の授業時間はいくつかの種類があり、3年で卒業できるコースや4年で卒業できるコースなどがあります。


様々な背景を持った生徒や、幅広い年齢層の生徒が在籍していることも特徴です。

多様性を受け入れる雰囲気があるため、不登校の生徒にも馴染みやすいことが多いです。


受験に対しても厳しい判定基準は設けず、本人のやる気を尊重してくれる傾向にあります。

ですので、不登校の生徒に合った高校が見つかる可能性は高いと言えます。

本人の気持ちを考慮しながら、学校の先生とも相談して受験の候補に考えてみるのも良いでしょう。

3. 不登校の理由に合わせて高校を選ぼう


不登校に至る理由は様々であり、紹介する以外にも複数の要因が重なっている場合もあるでしょう。

不登校の本人でも原因がはっきりしないこともあるかもしれません。

原因がわかっているなら、その理由に合わせて高校選びをしていくことも大切です。

ここでは主な不登校の原因別に高校選びのポイントをお伝えしていきたいと思います。

3-1. 朝起きられない

まずは規則正しい生活を心がけ、昼夜逆転の生活を改めていきましょう。

生活が乱れているなら、医療機関に相談して改善していくことも必要です。


その上で全日制高校にこだわらないならば、通信制高校や定時制高校も視野に入れて検討してみるといいかもしれません。

3-2. 病気で欠席が多い

病気については何より医療機関との連携が大切です。

その上で通学自体が難しいなら、通信制高校がおすすめです。

通信制高校なら、毎日の通学の必要がなく自宅学習が主になります。

3-3. 勉強についていけない

勉強に不安がある場合は、家庭教師や個別指導の塾などを利用してみるのもいいですね。

また現在の学力や調査書で受験できそうな高校や受験方法を選びましょう。

公立高校より私立高校の方が受験方式など柔軟に対応できるかもしれません。

3-4. 行きたくても行けない

集団生活が苦手、気持ちや体調に不安がある場合は、医療機関やカウンセラーを頼りながらサポートしていきましょう。

まずはフリースクールなどに通ってみるのもいいでしょう。

その上で高校受験を考えていくなら、毎日登校する必要がない通信制高校がおすすめです。

4. まとめ

・不登校で高校受験を考える場合、調査書の中の内申点と欠席日数が重要です。
・全日制、定時制、通信制の3種類の高校の特徴や受験方法を知りましょう。
・不登校の理由によって高校を選びましょう。


この記事では、不登校の中学生が高校受験を成功させるポイントをお伝えしてきました。

不登校だからといって高校受験を諦めるのは早いです。


今は多様性が認められ、様々なニーズに対応している学校も増えています。

自分に合った受験方法や、学校がきっと見つかるはず。

この記事が参考になれば嬉しいです。